瑞穂町は東京都の西側に位置する緑豊かで静かな町。
Mさんは、2021年春にこちらのお住まいへ。
1階のリビングに続く畳スペースにメインの織機(踏板8枚、最大織幅60cm)を設置しています。天井が高く、清々しい空間。窓から入る光が優しく、作業が捗る場所です。
織り機は京都の山田製作所製。
このスペースに設置できるサイズで、多重綜絖にも対応できることが購入の決め手となりました。
近隣への音が心配なので、ここでの織仕事は日中だけと決めています。
2018年夏頃、地元で開催されている染め織りの体験ワークショップに参加したことをきっかけに、手織りと出会います。
自然と増えていく手仕事を楽しむ仲間たち。
そのまま導かれるように、興味の赴くままに染めや織りを深めてきました。
染めのワークショップに参加する中で染色家・山﨑和樹氏と出会い、現在は山﨑氏の染め教室で学んでいます。
2階の寝室もMさんの手仕事場。
こちらには山田製作所の卓上織り機(最大8枚綜絖、最大織幅50cm)。
1階リビングの織り機に糸をかけると、織り終わるまで次の作品が織れないので寝室にも織機を置いています。
「自分の身の周りのものは自分で作れたら楽しいですよね」とおっしゃるように、眠る直前まで制作活動を楽しむ生活です。
何かと道具類が多い染め織り仕事。
Mさんは玄関脇のスペースも活用しています。道具を綺麗に飾りながら収納。
生活に必要な物も置いているのでご自身で染めたのれんで上手に隠しています。生活感が無く、まるで手仕事道具専用の空間のようです。
Mさんは草木染め用の苗木を植えるボランティア活動にも参加しています。
守り、育てることで次の世代や他の人たちの手仕事の手助けとなることも楽しんでいます。
好奇心から始まった染めや織りの楽しみが、今では暮らしの中心となっている。そんなM様の手仕事場でした。
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※1 村山絞りで使う板締めの板を使って染める方法
【取材・撮影】 遠藤ちえ (STUDIO OLIYA/遠藤写真事務所)